AMD、Radeon Pro V620 を発表

Update: 2021/11/07 18:52 +0900

AMD は現地時間 2021/11/04 付で、Sienna Cichlid/Navi21 ベースのサーバ向け GPU、Radeon Pro V620 が発表された。

前モデルにあたる Navi12 ベースの Radeon Pro V520AWS re:Invent に合わせ、AWS EC2 G4adインスタンスへの採用と同時に発表されていた。
AMD、Radeon Pro V520 を正式発表 & 仕様公開 | Coelacanth's Dream 今年の AWS re:Invent が 2021/11/29 から開催されるため、もしかしたらそこで Radeon Pro V620 採用 EC2 インスタンスが発表されるかもしれない。

Radeon Pro V520 は HBM2 8GB (2048-bit, 2スタック) という構成でピークメモリ帯域は 512GB/s となっていたが、Pro V620 は GDDR6 32GB (256-bit) で同じピークメモリ帯域 512 GB/s を達成している。
Pro V620 は WGP (CU) を Pro V520 の倍となる 36 (72) 基持ち、加えてピーククロックも 600 MHz 向上しているため、ピーク FP32演算性能は Pro V520 比で 2.74倍となっている。
ただ TBP (Total Board Power) も増えており、Pro V520 の 225 W に対し、Pro V620 は 300W となる。

Pro V520 Pro V620
WGP (CU) 18 (36) 36 (72)
Peak Clock 1600 MHz 2200 MHz
Memory Type HBM2 GDDR6
Peak Memory BW 512 GB/s 512 GB/s
Infinity Cache N 128 MB
Peak FP32 7.4 TF 20.28 TF
Total Board Power 225 W 300 W

Pro V620 では XGMI/Infinity Fabric はサポートされていないが、サーバ・クラウドゲーミング向けであり、コンピューティングに特化した性能ではないからだろうか。
Sienna Cichlid/Navi21XGMI/Infinity Fabric が有効化、実装されている製品は現時点では Apple Mac Pro向けの Radeon Pro W6000X シリーズ のみとなっている。

RDNA 2 アーキテクチャ としては初めて ROCmソフトウェアに対応することがアピールされている。
先日リリースされた ROCm v4.5 では対応 GPU に同じく Navi21/Sienna Cichlid ベースの Radeon Pro W6800 が追加されていたが、本来サポート対象に想定していたのは Pro V620 だと思われる。一部 ROCmソフトウェアでは Pro W6800 とは異なる DeviceID: 0x73A2 を対象としており、これが Pro V620 に割り当てられているのかもしれない。
ROCm v4.5 がリリース ―― CPU+GPU の統合メモリをサポート、RDNA系のサポートは v5.0 に? | Coelacanth's Dream

Radeon Pro V620 では Sienna Cichlid/Navi21 がマルチメディアエンジン VCN (Video Core Next) を 2基持つ点に触れられている。
このことは 2020/06 に投稿された Linux Kernel の AMD GPUドライバーへのパッチでも明かされていたが、2基の VCN は非対称であり、片方がデコードのみを、もう片方がエンコードのみを担当する。
AMD の次世代GPU、Sienna Cichlid の Linux Kernelパッチが投稿される | Coelacanth's Dream 2基をまとめて、デコード/エンコードを行う 1基の VCN としては構成されはしないが、役割を明確に分けることでパワーゲーティングを設定しやすくなり、より優れた電力効率を得ることができるとされている。1
デコード/エンコード性能の詳細については不明だが、Navy Flounder などの統合された VCN 1基を搭載する場合よりも引き上げられている可能性はある。
また、Beige Goby/Navi24 では対応コーディックに違いこそあるが、デコードのみに対応する VCN を 1基搭載しており、元々 VCN 3 ではデコードとエンコードにそれぞれ分割が可能なように設計されていると考えられる。
他 RDNA 2 GPU とは対応コーディックが異なる Yellow Carp APU と Beige Goby GPU | Coelacanth's Dream

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