Linux Kernel (amd-gfx) に投稿されたパッチから、Sienna Cichlid が Navi10 同様にUSB-Cコントローラーを内蔵、USB PD(Power Delivery) 機能をサポートすることが分かった。
[PATCH] drm/amdgpu: Include sienna_cichlid in USBC PD FW support.
パッチの内容としては、USB-C PD ファームウェアを読み込む前の判定文に Sienna Cichlid を追加したのみの簡潔なものであり、USB-C部に関しては Navi10 と変わらないと考えられる。
データ転送、DisplayPort Alternate Mode をサポートする点も同じだろう。
Sienna Cichlid ベースの製品でどれだけ USB-Cコネクタを実装したカードが登場するかは、Navi10 では Radeon Pro W5700 だけであることと、
映像出力と、デバイスコントローラー等とのUSB接続を 1本のUSB-Cケーブルで実現するVR HMD向けの規格 VirtualLink が実質終了してしまったことから1、コンシューマ向けの製品で実装するとは考えにくく、やはりプロ向けの一部製品のみとなるのではないかと思う。
USB-C は多機能であるが、その分検証にコストと時間が掛かり、それは製品の価格に反映される。
表記上の TDP が増える点も受けが悪い。注釈や記述方法でいくらでも回避できそうだが、Radeon Pro W5700 はニュースリリースでの脚注に USB を含まなければ 190W相当と書いてあっただけで2、製品ページではそれも無く TDP: 205W と記載されている。3
いっそのこと USB も含めての TDP とし、USB で増えた分をブースト機能で活かすということも考えられるが、USB を使えばブースト機能の効果が低下するとも解釈できるためマーケティング的にも難しいのかもしれない。
そういえば SoC としての側面が強い APU Renoir はディスプレイ出力可能な USB-Cコネクタをネイティブで 2つサポートしていたが4、Navi10 /Sienna Cichlid は 1つのみなのだろうか?
参考リンク
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ASCII.jp:GeForce RTX 3090で夢の8Kゲーミングは実現するのか?HDMI 2.1とDLSSの役目を解説 (4/4) ↩︎
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AMD Launches World’s First 7nm Professional PC Workstation Graphics Card for 3D Designers, Architects and Engineers | Advanced Micro Devices ↩︎
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https://cgit.freedesktop.org/~agd5f/linux/tree/drivers/gpu/drm/amd/display/dc/dcn21/dcn21_resource.c?h=amd-staging-drm-next&id=b4eeba998577ee6c656e81eb762fba5c78efa5cc#n804 ↩︎