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AMDVLK GPUOpen ドライバが Vulkan レイトレーシングに対応

オープンソースで開発されている Vulkan ドライバ、AMDVLK GPUOpen が v-2022.Q3.4 リリースで Navi2x/RDNA 2 における HWレイトレーシング機能に対応した。
AMD GPU 向けの Vulkan ドライバには現在、Mesa3D RADV、AMDVLK GPUOpen、プロプライエタリな AMDGPU-PRO の 3種類があるが、今回ですべてが Vulkan レイトレーシングに対応したこととなる。

リリースに合わせて、新たに GPU Ray Tracing Library (GPURT) が公開された。
GPURT はレイトレーシングにおける BVH (Bounding volume hierarchy) のビルドやソート処理を HLSL シェーダーで実装したライブラリであり、Vulkan レイトレーシングの他に DXR (DirectX 12) にも対応している。
GPURT は PAL (Platform Abstraction Library) に依存したライブラリとなるが、他の AMD GPU 向けのプロプライエタリなドライバでも PAL と一緒に GPURT を採用していることが考えられる。

Vulkan と DirectX の両方でレイトレーシングに対応すると同時に高速化を目的として、共通のライブラリ、シェーダー実装を用いる方策は Intel GPU でも採られている。
Intel GPU では、OpenCLカーネルと独自フォーマットのメタカーネルによる GRL (Graphics Library for Ray-tracing) を Windows ドライバと Mesa3D Anvil (ANV) ドライバで採用している。

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