AMD Sabrina は現在 Coreboot でサポートが進められている AMD SoC だが、Linux Kernel における AMDGPUドライバーが DeviceID (PCI ID) から IPブロックベースのサポートに移行したことにより、GPU部の情報は不透明だった。
それが、AMD の Mandar Sahastrabuddhe 氏が投稿したパッチにより、AMD Sabrina SoC の GPU部は RDNA 2 アーキテクチャ とされる GC 10.3.7 だということが明らかにされた。
パッチの投稿先は、Android と ChromeOSデバイスの自動テストフレームワークである autotest のレポジトリとなっている。
パッチによれば、GC 10.3.7 の DeviceID は 0x1506
、これは AMD Sabrina SoC の DeviceID と一致する。
--- a/client/bin/amd_pci_ids.json +++ b/client/bin/amd_pci_ids.json @@ -1,4 +1,5 @@ { + "0x1506": "gc_10_3_7", "0x15d8": "picasso", "0x15e7": "green_sardine", "0x1638": "green_sardine",
#define PCI_DEVICE_ID_ATI_FAM17H_MODEL18H_GPU 0x15D8 #define PCI_DEVICE_ID_ATI_FAM17H_MODEL60H_GPU 0x1636 #define PCI_DEVICE_ID_ATI_FAM17H_MODEL68H_GPU 0x164C #define PCI_DEVICE_ID_ATI_FAM17H_MODELA0H_GPU 0x1506 #define PCI_DEVICE_ID_ATI_FAM19H_MODEL51H_GPU_CEZANNE 0x1638 #define PCI_DEVICE_ID_ATI_FAM19H_MODEL51H_GPU_BARCELO 0x15e7
GC 10.3.7
GC 10.3.7 のサポートは AMDGPUドライバーで既に一部行われており、必要とするファームウェアも AMD の Alex Deucher 氏により linux-firmware.git にアップロードされている。
新たな RDNA 2 APU の IPブロック ―― GC 10.3.7, DCN 3.1.6, VCN 3.1.1 | Coelacanth’s Dream
AMD Sabrina SoC/GC 10.3.7 は Yellow Carp/Rembrandt APU に近い構成となっており、マルチメディアエンジンには Yellow Carp/Rembrandt APU と同じ VCN 3.1.1 を採用しており、
ディスプレイエンジンもリビジョンだけが異なる DCN 3.1.6 を採用している。
AMD Sabrina SoC の CPU部、I/O部は Coreboot へのパッチから、Family 17h Model A0h
であることから Zen/+/2 アーキテクチャ である可能性があること、CPPC2 (Collaborative Processor Performance Control 2) をサポートせず、また SATAコントローラを持たないことがわかっている。
AMD Sabrina SoC に向けたさらなるパッチ | Coelacanth’s Dream
また、メモリには LPDDR5 をサポートしている。
AMD Sabrina SoC は LPDDR5メモリをサポート | Coelacanth’s Dream