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AMD Sabrina SoC は LPDDR5メモリをサポート

Google の Karthik Ramasubramanian 氏より、Coreboot のメモリツールに AMD Sabrina SoC のサポートを追加するパッチが投稿された。
パッチコメントでは、AMD Sabrina は LPDDR5メモリをサポートする予定にあるとしている。
Coreboot では、Alder Lake-N/M/P と LPDDR5メモリを組み合わせたプラットフォームをサポートしているが、Alder Lake-N/M/P は SPD (Serial Presence Detect) のバージョンに 1.0、AMD Sabrina では 1.1 を想定している。パッチはその違いに対応することを目的としたもの。

 Add support to generate SPD binary for Sabrina SoC. Mainboards using
 Sabrina SoC are planning to use LP5 memory technology. Some of the SPD
 bytes expected by Sabrina differ from the existing ADL. To start with,
 memory training code for Sabrina expects SPD Revision 1.1. More patches
 will follow to accommodate additional differences.

AMD Sabrina は現在 Coreboot でサポートが進められており、CPUID (Family, Model)、GPU DeviceID、一部 I/O 構成は明かされているが、その他 OSS、コンパイラや Linux Kernel の各種ドライバーにはまだパッチが投稿されていない。
AMD Sabrina SoC に向けたさらなるパッチ | Coelacanth’s Dream まだ謎の多い AMD APU/SoC だが、今回でメモリに LPDDR5 をサポートすることが公開された。
GPU部に GFX9/Vega を共通して採用する Renoir, Lucienne, Green Sardine (Cezanne), Barcelo は DDR4/LPDDR4メモリのサポートに留まるため、AMD Sabrina ではメモリインターフェイスの世代が進んでいると見られる。
LPDDR5メモリをサポートする AMD APU/SoC は現在、VanGogh/Aerith (Zen 2 + RDNA 2)Yellow Carp/Rembrandt (Zen 3 + RDNA 2) があり、メモリインターフェイスだけで言えば AMD Sabrina SoCGFX9/Vega 系 APU より、GFX10.3/RDNA 2 系 APU に近い。
しかし、AMD Sabrina では SATAコントローラを持たず、CPU は CPPC2 をサポートしないなど、それらより小規模な APU/SoC であることが予想される。
また、AMD Sabrina が LPDDR5メモリをサポートすることは、FP6 パッケージ とは別のパッケージを採用することを意味する。
AMD Sabrina SoC とそのメインボード (リファレンスボード) AMD Chausie は、コード的には AMD Cezanne SoCFP6 パッケージ ボード AMD Majolica をコピーしたものを元にしているが、まずビルドを通すためとされている。
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