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LLVM に GPUID: gfx1034 が追加される

AMD GPU とはコンパイラバックエンドとしての関わりを持つ LLVM に GPUID: gfx1034 のサポートを追加するパッチが投稿された。

GPUID は gfx の後に続く数字が Major, Minor, Stepping の並びで構成されており、gfx0134 の場合は Major: 10, Minor: 3, Stepping: 4 となっている。
RDNA アーキテクチャ の GPUID には Major: 10, Minor: 1 (gfx101x) が割り当てられ、RDNA 2 アーキテクチャ には基本 Major: 10, Minor: 3 (gfx103x) が割り当てられている。
タイミングを考えれば先日 Linux Kernel (amd-gfx) にパッチが投稿された Beige Goby の GPUID が gfx1034 ではないかと思われるが、まだはっきりとそう示されてはいない。
新たな RDNA 2 GPU、“Beige Goby” をサポートするパッチが投稿される | Coelacanth’s Dream

パッチの内容としては、既存のコード内に gfx1034 のパターンを追加したものがほとんどであり、gfx1034 に向けた特定の機能サポートなどは見受けられない。
言い換えれば、ベースにした製品が既に発表されている Sienna Cichlid/Navi21/gfx1030Navy Flounder/Navi22/gfx1031 と、命令/ISAレベルでは同機能ということでもある。

llvm-project/AMDGPUUsage.rst ドキュメントに追加された内容では、gfx1034 は dGPU とされている。
Linux Kernel (amd-gfx) への Beige Goby サポートに向けたパッチでも、APU であることを示すフラグといった、APU に関する記述は無かったため、dGPU であることは Beige Gobygfx1034 とで一致する。
また、gfx1033 は APU であることが同ドキュメントには記述されている。

      ``gfx1034``                 ``amdgcn``   dGPU  - cumode          - Absolute      - *pal-amdpal*  *TBA*
                                                     - wavefrontsize64   flat
                                                                         scratch                       .. TODO::
	
                                                                                                         Add product
                                                                                                         names.
RDNA 2 GPUID
Sienna Cichlid/Navi21 gfx1030
Navy Flounder/Navi22 gfx1031
Dimgrey Cavefish/Navi23 gfx1032?
VanGogh gfx1033?
Beige Goby gfx1034?