GPU部が RDNA 2/GFX10.3 となる AMD の次世代 APU VanGogh をサポートするパッチが Linux Kernel(amd-gfx) に投稿された。
[PATCH 00/45] Add support for vangoh
先日には Linux Kernel に先行して Mesa3D(UMD) に VanGogh のサポートが追加されている。
新たな AMD RDNA 2 GPU、“Dimgrey Cavefish” & “VanGogh” | Coelacanth’s Dream
DCN3.01
ディスプレイ部には DCN3.01 を搭載し、RDNA 2 dGPU の DCN3.0 よりほんの少し進んだバージョンとなるが、違いもそれに沿って eDP とメモリの対応を追加したくらいではないかと思う。
Raven APU 、Renoir APU 同様にディスプレイコントローラーは 4基とされ、DSC の数も Renoir から変わらず 3基となっている。1
[PATCH 43/45] drm/amd/display: Add dcn3.01 support to DC
VCN3.0
VanGogh は RDNA 2 dGPU 、Sienna Cichlid 、Navy Flounder と同じくマルチメディアエンジンには VCN3.0 を搭載する。
VCN3.0 は AV1 HWデコードに対応するため2、後述の LPDDR5メモリ対応と合わせて、機能面で Intel Tiger Lake に追い付いたと言える。
[PATCH 23/45] drm/amdgpu: enable vcn3.0 for van gogh
LPDDR5メモリをサポート
VanGogh は LPDDR5メモリをサポートするとされる。
同時に DDR5 のメモリタイプが追加されているが、ドライバー部では LPDDR4 は DDR4 と、LPDDR5 は DDR5 として判定されるため、DDR5メモリまでサポートするかは不明。
まだテストが行なわれていないだけかもしれないが。
vg_clk_mgr.c
ファイルに LPDDR5 と DDR4 のテーブルが用意されているため、DDR4メモリをサポートしている可能性はある。3
[PATCH 10/45] drm/amdgpu: add uapi to define van gogh memory type
[PATCH 13/45] drm/amdgpu: get the correct vram type for van gogh
PCI ID は 0x163F
となり、AMDGPUファミリーは新たな VanGoghファミリー に属する。
[PATCH 45/45] drm/amdgpu: add van gogh pci id
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https://cgit.freedesktop.org/~agd5f/linux/tree/drivers/gpu/drm/amd/display/dc/dcn301/dcn301_resource.c?h=amd-staging-drm-next-vangogh#n770 ↩︎
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AMD RDNA 2 世代に搭載される VCN 3 は AV1 HWデコードをサポート | Coelacanth’s Dream ↩︎
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https://cgit.freedesktop.org/~agd5f/linux/tree/drivers/gpu/drm/amd/display/dc/clk_mgr/dcn301/vg_clk_mgr.c?h=amd-staging-drm-next-vangogh#n545 ↩︎