Mesa3D に、新たな RDNA 2 /GFX10.3 GPU、Dimgrey Cavefish と VanGogh のサポートを追加されたマージリクエストが投稿された。
OSS にこれらチップの名前が追加されたのは初であり、珍しく UMD(User Mode Driver) である Mesa3D が先行した。Linux Kernel(amd-gfx) に、サポートするためのパッチが投稿される日も近いはずだ。
Dimgrey Cavefish は chipRevision
の範囲が、以前 GPUOpen-Drivers/pal: Platform Abstraction Library に投稿された Navi23 と一致するため、内部的なコードネームは Navi23 ではないかと思われる。
#define AMDGPU_DIMGREY_CAVEFISH_RANGE 0x3C, 0x46 #define AMDGPU_VANGOGH_RANGE 0x01, 0xFF
#if ADDR_NAVI23_BUILD #define AMDGPU_NAVI23_RANGE 0x3C, 0x46 #endif
Dimgrey Cavefish 、VanGogh は、Sienna Cichlid、Navy Flounder 同様 gfx1030
に関連付けられ、RDNA 2 /GFX10.3 GPU とされる。
VanGogh は画家系のコードネームであることから APU と考えられ、聞こえ伝わってくる話もそのようである。
NGG(Next Generation Geometry) が使用可能かの判定に専用VRAMを持っているかが追加されており、現時点で VanGogh で NGG が使えないようになっている。今後 NGG のサポートが追加されるかは不明。
また、GPU部が Vega /GFX9 世代から進んだことで新たに VanGoghファミリー が作られたが、chipRevision
の範囲が 0x01, 0xFF
と既に埋まっており、そのファミリーに属するのは VanGogh のみとなる可能性が考えられる。
RDNA 2/GFX10.3 世代の dGPU には他に、Sienna Cichlid 、Navy Flounder がおり、色 + 魚 のコードネームとなっている。
Cichlid はカワスズメ科の硬骨魚、Flounder は砂底に生息する硬骨魚ヒラメの英名である。
Flounder はカレイの意でした。大変申し訳ありません。
そして Cavefish は、洞窟の生活に適応したドウクツギョ科の英名らしく、硬骨魚の Cichlid や Flounder とは大きく異なっている。果たしてこれが意味する所は。いや特に意味は無い、というのも十分ありうるけれども。
ちなみに Dimgrey は こんな感じの色。
Sienna は こんな感じ。
Navy は こんな感じ。