AMD の次世代 APU Cezanne が、Ryzen 7 5800U という具体的なモデル名を持って Geekbench のデータベースに現れた。
ボード名の Celadon は Renoir の時にも用いられており、モバイルプラットフォームに対してのコードネームと推察される。1 CZN は Cezanne の略だろう。
L3キャッシュは、AMD が公開している「Software Optimization Guide for the AMD Family 19h Processors」通り、1CCX (8-Core) で 16MB を共有する構成を取っている。
AMD、Zen 3 アーキテクチャの詳細を公開 | Coelacanth’s Dream
恐らくは Lucienne であろう Ryzen 7 5700U が Geekbench データベースに登場した時にも書いたが、Lucienne は総 L3キャッシュ 8MB (4MBx2) なのに対し、Cezanne は総 L3キャッシュ 16MB と、容量に大きく差があり、これは製造コストにも反映されているものと思われる。
Ryzen 7 5700U は Zen 2 + Vega、Lucienne か ―― Cezanne との棲み分けは | Coelacanth’s Dream
それと気になるのは AuthenticAMD Family 25(0x19) Model 80(0x50) Stepping 0) という点で、先日 Coreboot に追加された DeviceID とマクロ名から自分は Cezanne の x86_Model は 81(0x51) になるものと思っていた。
Coreboot に Renoir と Lucienne/Cezanne らしき DeviceID が追加される | Coelacanth’s Dream
これについては、別に Family 25(0x19) Model 81(0x51) な APU が存在するとかいうよりも、今回登場した Cezanne は Stepping 0 であるため、仮の x86_Model を用いていると考えた方が自然だろう。初代 EPYC Naples は Model 1(0x1) だが、初期のエンジニアサンプリングには Model 0(0x0) が割り当てられていたことがあった。
それなのに今回はプロセッサ名が AMD Eng Sample とかではなく、実際の SKU に近い名前となっているあたり、ちぐはぐである気はするが。