N バリアントも存在する Alder Lake

Update: 2021/11/20 13:11 +0900

プロプライエタリな BIOS (firmware) の置き換えを目指すフリーソフトウェアプロジェクト Coreboot に、Alder Lake-N の CPUID, DeviceID を追加するパッチが投稿、公開されている。

CPUID

Intel CPU では CPUID における Model がマーケットセグメント別に割り当てられていることが多く、例えば Alder Lake-M/P はどちらもモバイル向けであり、Model: 0x9A (ALDERLAKE_L) が割り当てられている。1 ALDERLAKE_L と Alder Lake-P/M | Coelacanth's Dream

今回のパッチによれば Alder Lake-N には、デスクトップ向けの ALDERLAKE_S (Model: 0x97) ともモバイル向けの ALDERLAKE_L (Model: 0x9A) とも異なる、Model: 0xBE が割り当てられている。

 #define CPUID_ALDERLAKE_S_A0        0x90670
 #define CPUID_ALDERLAKE_A0      0x906a0
 #define CPUID_ALDERLAKE_A1      0x906a1
 #define CPUID_ALDERLAKE_A2      0x906a2
 #define CPUID_ALDERLAKE_A3      0x906a4
 #define CPUID_ALDERLAKE_N_A0        0xb06e0

デスクトップ向けでもモバイル向けでもないことから、Alder Lake-N は組み込み向けのプロセッサではないかと思われる。
ただ intel-family.h にはまだ ALDERLAKE_N (Model: 0xBE) は追加されておらず、他 Alder Lake 同様に Golden Cove + Gracemont のハイブリッドアーキテクチャを採るのか、組み込み向けとして処理性能を安定させるため Gracemont だけの構成とするのかなどは不明。

余談だが、 Intel Corporation の Githubレポジトリの 1つ intel/dptf (Intel (R) Dynamic Tuning for Chromium OS) には既に Meteor Lake M & P, N, S の CPUID が記載されており、モバイル向けに M & P、デスクトップ向けに S、そして恐らく組み込み向けだろう N の 3つのセグメントに分かれる方針は Meteor Lake にも用いられると思われる。

 #define CPUID_FAMILY_MODEL_MTL_M_P  0x000A06A0      // Meteor Lake M & P
 #define CPUID_FAMILY_MODEL_MTL_N    0x000A06B0      // Meteor Lake N
 #define CPUID_FAMILY_MODEL_MTL_S    0x000606C0      // Meteor Lake S
 #define CPUID_FAMILY_MODEL_RPL_S    0x000B0670      // Raptor Lake S
 #define CPUID_FAMILY_MODEL_RPL_P    0x000B06A0      // Raptor Lake P

GPU

GPU部の DeviceID も 0x46A0/0x46A3 の 2つが追加されている。

 #define PCI_DEVICE_ID_INTEL_ADL_M_GT1           0x46c0
 #define PCI_DEVICE_ID_INTEL_ADL_M_GT2           0x46aa
 #define PCI_DEVICE_ID_INTEL_ADL_M_GT3                   0x46c3
 #define PCI_DEVICE_ID_INTEL_ADL_N_GT1           0x46A0
 #define PCI_DEVICE_ID_INTEL_ADL_N_GT2           0x46A3

Mesa3D 内の iris_pci_ids.h では、2つの DeviceID は Alder Lake GT2 に当たるため、Alder Lake-N の GPU部は Alder Lake-M/P 同様に最大 96EU の構成とされる。
また Alder Lake-N の DeviceID の上に PCI_DEVICE_ID_INTEL_ADL_M_GT3 があるが、この DeviceID: 0x46C3 も Alder Lake GT2 に当たる。そのため製品的な意味では GT3 なのかもしれないが、最大構成としては Alder Lake GT2 (96EU) だと思われる。

あるいは、Jasper Lake の GPU部の DeviceID にも GT1 から GT4 があるが、Intel のドキュメントによれば GT4 (0x4E55) は 16EU、GT3 (0x4E61) は 24EU、GT2 (0x4E71) は 32EU、GT1 (0x4E51) は予約された ID にあたるため、単に連番以上の意味は持たないかもしれない。2

 #define PCI_DEVICE_ID_INTEL_JSL_GT1         0x4E51
 #define PCI_DEVICE_ID_INTEL_JSL_GT2         0x4E71
 #define PCI_DEVICE_ID_INTEL_JSL_GT3         0x4E61
 #define PCI_DEVICE_ID_INTEL_JSL_GT4         0x4E55
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