Coelacanth's Dream

Alder Lake-S と同じ GPU IP となる Raptor Lake-S

intel-gfx メーリングリストに、Raptor Lake-S (RPL-S) のサポートを追加する最初のパッチが投稿された。

Xe-LP/Gen12LP から Intel GPU では Graphics (Render), Display, Media に分かれて IPバージョンが更新されるようになり、モバイル向けの Alder Lake-P は Graphics (Render) IP は Gen12 だが、Display IP は Gen13 (XE_LPD)、Media IP は Gen12.2 とされている。
Intel、Display13 改め 「XE_LPD」 をサポートするパッチを投稿 ―― 今後は独立して各 IP が更新されるように | Coelacanth’s Dream DG2-G10/G11 では、Graphics (Render) IP に Xe-HPG/Gen12.55 、Display IP に Gen13 (XE_LPD) を採用している。

今回のパッチのコメントでは、Raptor Lake-S は Graphics (Render), Display, Media ともに Gen12 となり、ドライバー上では Alder Lake-S と同じ IPバージョンとなることが語られている。
Display IP が、Alder Lake-S では Gen12、Alder Lake-P では Gen13 (XE_LPD)と分かれていたが、Raptor Lake-S では Alder Lake-S の GPU IP 構成をそのまま引き継ぎ、IP の更新はしないことになる。

現時点で Raptor Lake-S の GPU部において Alder Lake-S と異なるのは、GuC (Graphics micro (µ) Controller) submission がデフォルトで有効化される点のみとなる。

 Raptor Lake S(RPL-S) is a version 12
 Display, Media and Render. For all i915
 purposes it is the same as Alder Lake S (ADL-S).
 The series introduces it as a subplatform
 of ADL-S. The one difference is the GuC
 submission which is default on RPL-S but
 was not the case with ADL-S.

GuC はドライバー部で担っている一部機能をオフロードする目的で開発されており、Gen9 から導入されている。
Gen9 では GuC は、メディアエンコードのビットレート制御やヘッダのパースのオフロード可能な HuC (The HEVC /H.265 micro (µ) Controller) の認証を担っていた。
Alder Lake-P の世代からは、GPUコンテキストのスケジューリング、クロックとパワーゲーティングの適用を選択する機能も実装され、またデフォルトで有効化されるようになった。
Alder Lake-S では HuC の認証のみで、デフォルトでは Alder Lake-P に実装されている他の機能は無効化されている状態だった。
Raptor Lake-S では各 GPU IP こそ更新されないが、マイクロコントローラ部では Alder Lake-P と同世代に更新されることとなる。

Intel GPU Graphics IP ver Display IP ver Media IP ver
Tiger Lake
/Rocket Lake?
Gen12 Gen12 Gen12
DG1 Gen12.1 Gen12 Gen12
Alder Lake-S
/Raptor Lake-S
Gen12 Gen12 Gen12.21
Alder Lake-P Gen12 Gen13
(XE_LPD)
Gen12.21
Xe-HP Gen12.5 - Gen12.5
DG2-G10/G11 Gen12.55 Gen13
(XE_LPD)
Gen12.55

また、Raptor Lake-S については CPU の x86_model 情報を追加するパッチも公開されている。
CPUアーキテクチャとその構成はまだ明かされていないが、多くの CPUモニタリングソフトウェアなどでは CPUID から読み取れる Family, Model, Stepping 情報から CPU の判別を行うため、初期的なサポートではあるがそうしたソフトウェアが早くに Raptor Lake-S に対応可能となる。

  #define INTEL_FAM6_ALDERLAKE		0x97	/* Golden Cove / Gracemont */
  #define INTEL_FAM6_ALDERLAKE_L		0x9A	/* Golden Cove / Gracemont */
	 
 +#define INTEL_FAM6_RAPTOR_LAKE		0xB7
 +

参考リンク


  1. Add tests to detect and check MFX runtime. by uartie · Pull Request #306 · intel/vaapi-fits ↩︎