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Green Sardine APU の PCI ID が追加、正体は Cezanne APU だったか

先日の CES2021 よりも、主にその発表後のニュースリリース で各種 SKU が正式発表された Cezanne APULucienne APU だが、1
両者と同じく Renoir APU に近い存在として、Linux Kernel (amd-gfx) へのパッチに現れた Green Sardine APU がいた。
AMD Renoir の兄弟? Linux Kernel に “Green Sardine” APU をサポートするパッチが投稿される | Coelacanth’s Dream

それが、新たに投稿されたパッチから、Green SardineCezanne の別名であることが明らかになった。

Add green_sardine PCI id support and map it to renoir asic type.

     /* Renoir */
     {0x1002, 0x1636, PCI_ANY_ID, PCI_ANY_ID, 0, 0, CHIP_RENOIR|AMD_IS_APU},
 +	{0x1002, 0x1638, PCI_ANY_ID, PCI_ANY_ID, 0, 0, CHIP_RENOIR|AMD_IS_APU},

Cezanne の GPU部に割り当てられた DeviceID は、以前に Coreboot へのパッチからわかっており、Green Sardine の DeviceID 0x1638Cezanne と一致する。
下引用部では、Family: 0x19, Model: 0x51 となっているが、CezanneFamily: 0x19, Model: 0x50 であるため、誤字と思われる。

   #define PCI_DEVICE_ID_ATI_FAM17H_MODEL60H_GPU			0x1636
   #define PCI_DEVICE_ID_ATI_FAM17H_MODEL68H_GPU			0x164C
   #define PCI_DEVICE_ID_ATI_FAM19H_MODEL51H_GPU			0x1638

Lucienne の DeviceID 0x164C も追加されているが、コードネームについてはこれまで Linux Kernel へのパッチでは触れられていない。
LucienneRenoir Refresh とも言える いやプロセスも変わらないとすると、ほぼ Renoir そのままかもしれない APU であり、恐らくはファームウェアも Renoir と同じものが使えると思われる。
コードでも、RenoirLucienneCezanne/Green Sardine とで分けられている。

 	case CHIP_RENOIR:
 		adev->asic_funcs = &soc15_asic_funcs;
-		if (adev->pdev->device == 0x1636)
+		if ((adev->pdev->device == 0x1636) ||
+		    (adev->pdev->device == 0x164c))
 			adev->apu_flags |= AMD_APU_IS_RENOIR;
 		else
 			adev->apu_flags |= AMD_APU_IS_GREEN_SARDINE;

一応、Renoirx86_Model: 0x60Luciennex86_Model: 0x68 となるため、CPU部では分けられている。
それでも I/O、GPU部は Renoir と分ける必要がなかったから、コードネームに言及する必要もなかった、ということなのかもしれない。