AMD GPU のコンパイラバックエンド等に採用されている LLVM に、新たな GPU ID gfx90c を追加するパッチが投稿された。
⚙ D90419 [AMDGPU] Add gfx90c target
その後の変更で、gfx90c は Renoir APU の GPU部を指す GPU ID であることが判明した。
AMD Renoir APU の GPU ID が “gfx90c” に | Coelacanth’s Dream
GPU ID は AMD GPU のマシンタイプ、アーキテクチャ、対応命令セットを示すものであり、コンパイラ等では最適化のためのターゲットIDとして使われている。
AMD GPU の GPU ID は何を意味するか | Coelacanth’s Dream
GFX90c
gfx90c は Raven2 APU 、Renoir APU の GPUコア部の gfx909 と区別されるとあり、gfx909 をベースにバグ修正、機能追加、命令追加を行なったものと思われる。
詳細はまだ不明であり、現段階では gfx90c と gfx909 に違いは見当たらない。
GPU ID の数値は上から、主要なバージョン pGfxIpMajorVer
、補助的なバージョン pGfxIpMinorVer
、ステッピングを意味する pGfxIpStepping
となる。
gfx909 から進んだとはいえ、ステッピング部分であるため、そう大きな変更は行なわれてはいないだろう。
gfx90c はある APU の GPUコア部の GPU ID とされる。
将来的に登場する APU であり、GPUアーキテクチャの世代が Vega /GFX9 となるものには Lucienne (Zen 2? + Vega?) 、Green Sardine (Zen 2? + Vega?) 、Cezanne (Zen 3? + Vega?) がいる。
その中の Lucienne /Green Sardine は、CPU/GPUアーキテクチャは Renoir (Zen 2 + Vega) と同じだが、プロセスは進んだものになると考えていたが、
Ryzen 5000 シリーズ 、Radeon RX 6000 シリーズ がその前世代と同じ 7nmプロセスノードで製造されるという話から、実際はアーキテクチャに若干の変更が施されている可能性が出てきた。
続き、gfx90c がそれら APU に採用されているのではないかと考えられる。