以前、LLVM に旧世代の AMD GPU に向けた GPUID が追加された 際、gfx703 から分化し、ある APU の GPUコア、ISA とされるが、具体的な採用製品は謎の gfx705 があった。
自分はそれを最近出てきた、Xbox One SoC と同一のダイとなる異質の APU A9-9820 (Cato APU) が当たるのではないかと考えていたが、
GPUOpen-Drivers/pal: Platform Abstraction Library に組み込まれた新たなパッチによると、実際には 2015年頃に登場した Godavari APU が該当するようだ。
pal/ndDevice.cpp at 007816f4bd2fd3ace30f8af9629cff7ec1dcb998 · GPUOpen-Drivers/pal
A9-9820 の GPU部に付けられた R7 350 の謎はそのままだが、A9-9820 のある Geekbench 5 実行結果によると、どうやら A9-9820 でも Linux環境を動かすことが可能らしい。1
CPU ベンチマークであるため GPU がどうなっているかは不明。
また、A9-9820 を搭載するボードには複数の種類が確認でき、
AliExpress で販売されているボード2、CHUWI AeroBox に組み込まれているボード3、Geekbench 5 の実行結果にある AMD_BL2 を検索すると出てくる PDFファイルに掲載されているボード4の 3種類がある。他にも存在しているかもしれない。
それぞれの違いは、CPU補助電源が 4-pin か 8-pin か、PCIe x1スロットの有無または数、mSATA、M.2スロットの数等、同じ A9-9820 を搭載するため仕方ないかもしれないが、微妙なものとなる。
だが、全く同じボードを使っていないというのは少し意外で、Xbox One SoC / A9-9820 のストックは結構あるのかもしれない。
そして、AMD_BL2 ボードには PCIe x16 が無く、一般的な GPU は差せないため、GPU 部も既存のドライバーで動作している可能性がある。(PCIe x1 の GPU があるにはあるが)
その場合、どういった APU/GPU、各 IP としてドライバーが適用されているのかは気になる所だ。
Linux が動作可能ということもあり、その内さらなる A9-9820 の詳細が明らかになるのではないかと期待している。