AMD Renoir のダイ観察 & 推測

これまでにも数多くのチップを撮影、その内部構造を詳細に公開してきた Fritzchens Fritz | Flickr 氏が、
先日、Zen 2 CPU と Vega GPU を持ったAMD の 7nm APU、Renoirのダイショットをパブリック・ドメインで公開した。
AMD@7nm@Zen2@Renoir@Ryzen_3_4300U@100-000000085_9JB4977P00… | Flickr
氏の測定によると、Renoir のダイサイズは 155.01mm2

そして、氏のダイショットを元に内部構造を推測、各ユニットを区分けしてみた。
とその数は自信の無さを表す。

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Renoir 推測

DieSize: 155.001mm2
画像元:AMD@7nm@Zen2@Renoir@Ryzen_3_4300U@100-000000085_9JB4977P00… | Flickr

AMD Renoir

DieSize: 155.001mm2
画像元:AMD@7nm@Zen2@Renoir@Ryzen_3_4300U@100-000000085_9JB4977P00… | Flickr

Renoir GPUスペック

大体の Renoir GPUスペックは以下となっている。

前世代の APU Raven と同じ GFX9 /Vega GPU ではあるが、Ravengfx902 に存在したバグを修正し、ハードウェアでのシェーダーの電力プロファイル機能に対応した5 gfx909 となった。

解説的な

3つの 共有CUキャッシュ

Renoir もやはりというか、複数の CUで共有する L1cache (Scalar 16KB, Instruction 32KB) が8CU に対して 3基あり、2基または 3基の CUで共有する構成だった。
これはどうも GFX9 /Vega アーキテクチャで共通する特徴らしく、Vega10 /Vega20 は 1-SE あたりの 16CU に対して L1cache 6基6Raven は 11CUに対して L1cache 4基となっている。

GCNアーキテクチャでは L1cache を最大 4CUで共有することが可能であり、GFX9 /Vega の前世代、GFX8 世代の Polaris11 は 8CU に対して L1cache 2基であり7Renoir もそうした構成が取れたはずだ。
AMD の資料では、Vega10 も変わらず 4CUで共有することになっているため8、歩留まり向上策なのかもしれない。

5つの Display PHY

ディスプレイコントローラ 4基に対して、物理層(PHY)が 5基となるが、
Linux Kernel の AMD GPU でディスプレイに関する部分を見ても4 PLL(Phase Looked Loop) と DDC(D/Dコンバーター)が 5基あるとされ、3x HDMI/DisplayPort + 2x USB-C の中で選択して 4画面を出力できるということだと思われる。

PCIeレーン

Renoir の持つ PCIeレーン数は、5x 4-Lane + 2x 2-Lane で計 24-Laneある ように 見えた。
AM4ソケットの仕様で考えると、16-Lane をディスクリートGPUに、4-Lane を NVMe SSDに、4-Lane をチップセットとの接続に充てられそうだが、
2x 2-Lane は USB にも使わられるはずで、そして AM4ソケットは CPU から 4つの USB 3.2 Gen1/2 を出す。
そのため、デスクトップ向け Renoir が使えるのは 20-Laneで、
ディスクリートGPUは前世代から変わらず 8-Lane、NVMe SSD に 4-Lane、チップセットに 4-Lane、その他 PCIeスロットや NVMe SSD に 4-Lane、という感じになるのではないかと思う。

(追記)

ASRock B550 PG VelocitaGIGABYTE B550 AORUS PRO (rev. 1.0) のマニュアルには、
RenoirNew Generation AMD Ryzen™ with Radeon™ Graphics processors で PCIe 3.0 x16が利用可能と記述されており、自分が USB の分を勘違いしてるか見落としているだけの可能性が高い。
https://download.asrock.com/Manual/B550%20PG%20Velocita.pdf#page=32
https://download.gigabyte.com/FileList/Manual/mb_manual_b550-aorus-pro-ac_1001_e.pdf#page=7

GIGABYTE は PCIeスロット、M.2、USBそれぞれが CPU側か B550 PCH側かをしっかり書いてあり、とても分かりやすく、確かだと言える。

(追記終了)

Zen 2

画像元:AMD@7nm@Zen2@Renoir@Ryzen_3_4300U@100-000000085_9JB4977P00… | Flickr
参考:Zen 2: The AMD 7nm Energy-Efficient High-Performance x86-64 Microproc…

Zen 2 CPU Core

画像元:AMD@7nm@Zen2@Renoir@Ryzen_3_4300U@100-000000085_9JB4977P00… | Flickr
参考:Zen 2: The AMD 7nm Energy-Efficient High-Performance x86-64 Microproc…

ついでに Zen 2 CPUコアの内部も区分けしてみたが、内容としては ISSCC 2020 で AMD が発表した資料を丸写ししただけ。9
言い換えれば Renoir で CPU部は L3cacheの規模以外に大きく弄っていないということになる。
しかし小さい改良点はあり、Spectre v2対策に IBRS_FW が追加されている。1011
それにどれほどの効果があるのかはわからん。

Update:
 2020/07/20 11:51 JST