ユーザーはレポジトリからダウンロード、インストールが可能となっている。
Linuxディストリごとのインストール方法は以下から。
AMD ROCm Installation Guide v3.5.0 — ROCm Documentation 1.0.0 documentation
今リリースにおいてサポートが追加された GPU は無かった。
Arcturus をサポートする v3.2 、最適化が施される v3.4 を飛ばして v3.5 のリリースだが、何だか Arcturus /MI100 の正式発表のタイミングを計っているように感じる。
以前、2020/06/02 〜 2020/06/06 に開催される COMPUTEX TAIPEI で発表されるのではないかと予測したが、
その COMPUTEX TAIPEI が 2020/09/28 〜 2020/09/30 に延期してしまった。
近いイベントには ISC 2020(2020/06/22 〜 2020/06/25) があるが、プログラムを見るに大々的な発表はないように思える。
さていつになるのか。
ROCm 3.5 の主な変更点
- HCC(Heterogeneous Compute Compiler) が非推奨となり、HIP-Clang compiler に置き換えられた
- HIP-HCCランタイムが HIP-ROCclr(Radeon Open Compute Common Language Runtime) に変更
- HIPランタイムAPI は ROCclr の上層に実装され、ROCclr は抽象化レイヤーとして機能する
- OpenCLランタイムが OpenCL2.2 を拡張サポート
- MIOpen でコンパイル済みのカーネルをオプションで提供、これにより起動時間が短縮される
- プロファイラツール rocprof の実行に SQLite3モジュールを含む Python が必要に
- 新たなツール ROCgdb(ROCm Debugger) が追加、CPUとGPUのコード両方に使用可能
- ROCdbgapi(ROCm Debugger API) は Vega10 と Vega20(Vega 7nm) アーキテクチャをサポート
- 新たに RPP(Radeon Performance Primitives) ライブラリを追加、HIP と OpenCL をバックエンドとした AMD CPU + AMD GPU 向けの高性能コンピューティングライブラリとなる
その他、詳細は以下。
https://github.com/RadeonOpenCompute/ROCm/tree/roc-3.5.0#Whats-New-in-This-Release
リリースされてから早速アップグレードしてみたが、微妙にうまくインストールされず、それが解決しても OpenCL ライブラリ、ヘッダーへのパスを再設定する必要があった。
確か、以前はパスに x86_64-linux-gnu
が付いてたはずだが、今リリースではなくなっていた。
ただ最近になって Debian のリリースレポジトリを testing に変更したため、ROCm側の問題とは言い切れないところがある。
一応、.bashrc
または .xsessionrc
に以下を記述することで再び OpenCLプログラムが実行可能となったため、参考にしていただけたら幸いだ。
export ROCM_PATH="/opt/rocm"
export OPENCL_LIBS="${ROCM_PATH}/opencl/lib"
export LIBOPENCL="${ROCM_PATH}/opencl/lib"
export LD_LIBRARY_PATH=${ROCM_PATH}/opencl/lib:$LD_LIBRARY_PATH
export OPENCL_HEADERS="${ROCM_PATH}/opencl/include"
export OPENCL_INCLUDES="${ROCM_PATH}/opencl/include"