AMD は 2020/05/13 付でプロフェッショナル向けハイエンドGPUカード、Radeon Pro VII を発表した。
AMD Expands Professional Offerings with AMD Radeon Pro VII Workstation Graphics Card and AMD Radeon Pro Software Updates | Advanced Micro Devices
ベースとなるGPUはVega20、総CU数 60基、GPUメモリ HBM2 16GB (4096-bit)という点はコンシューマ向けの Radeon VII と同じだが、制限されていた Vega20 の機能を Radeon Pro VII では解放している。
具体的には、倍精度演算性能を Radeon VII では 1/4レートに制限していたのを、フル 1/2レートにすることで性能を向上。
PCIe も Gen4 に対応した。これはデスクトップ/ワークステーションで、PCIe Gen4対応のプラットフォームを出していることが大きいのではないかと思う。
Radeon VII 登場時は CPU側が第2世代Ryzen /Threadripperであり、PCIe Gen3までの対応だった。
HBM2 が ECCに対応したが、容量、帯域は変わらない。
動作クロックは Radeon VII の最大 1800MHzから 1705MHzに抑えられており、その分TBPが300Wから250Wとなっている。
そして、2GPUまでの Infinity Fabric ブリッジを用いた接続に対応している。帯域は双方向合わせて 168GB/s。
Infinity Fabric 接続により、2GPUのメモリは共有化され、GPU間のデータ移動を広帯域、低レイテンシで行なえる。
個人的に気になるのは、HEVC 8Kデコードに対応しているという点で、Vega20 は 4Kまでの対応であるはずだ。
RadeonFeatureではバージョンこそ Vega10 から進んだ UVD 7.2 だが、最大解像度は 4Kとなっている。
RadeonFeature は 公式に 8Kデコードに対応しているとされる VCN 2.0 も、対応最大解像度は 4Kとなっているため、根拠には微妙だが、
オープンソースドライバーのソースコードを見ても、8Kに対応するのは Radeon Family における Renoirからとされている。(Renoir、Arcturus、Navi10、Navi12、Navi14が対象)
固定ハードウェアによる対応ではなく、シェーダーを用いての対応ということなのだろうか?
Radeon Pro | W5700 | W5700X | VII |
---|---|---|---|
CUs | 36 | 40 | 60 |
SPs | 2304 | 2560 | 3840 |
TMUs | 144 | 160 | 240 |
ROPs | 64 | 64 | 64? |
Boost Clock | 1929 MHz | 1855 MHz | 1705 MHz |
Max Memory Size | 8 GB | 16 GB | 16 GB |
Memory Bandwidth | 448 GB/s | 448 GB/s | 1024 GB/s |
FP16 (TFLOPS) | 17.78 | 19.0 | 26.2 |
FP32 (TFLOPS) | 8.89 | 9.5 | 13.1 |
FP64 (TFLOPS) | 0.56 | 0.59 | 6.55 |
Typical Board Power | 190 W 205 W (+USB) |
? | 250 W |
Price | $7991 | $1,0002 | $1,899 |