https://bilibili.comにてMorisummers氏がVega12の開発用ボードを分析した記事を投稿した。
Radeon Pro Vega20拆解 - 哔哩哔哩
ボードに搭載されていたのは Vega12 XTA と、開発用でありながら製品のMacBook Pro 2018に搭載された Radeon Pro Vega 20 と同一のものだった。
GPU-Zの表示では、PCIe Gen3は8レーン。
そして、氏の測定によれば、Vega12 のダイサイズは 252mm2。
この 252mm2はざっくり言うと Vega10 の半分近い大きさだ。
しかし、 Vega10 と Vega12 の規模にはそれなりの差がある。
Vega10 の総CU数が64基なのに対し、Vega12 は20基と1/3近く、RBEは Vega10 が16基(64 ROP)、 Vega12 は8基(32 ROP)と半分だ。
直感的には Vega12 のダイサイズはもう少し小さくてもいいように思える。
Vega1012 | Vega1232 | |
---|---|---|
ShaderEngine | 4 | 4 |
Total CU / SP | 64 / 4096 | 20 / 1280 |
Total TMU | 128 | 80 |
Total ROP | 64 | 32 |
Total L2$ | 4 MB | 2 MB |
Memory Type / Bus Width |
HBM2 / 2048-bit |
HBM2 / 1024-bit |
GFX Core | GFX9 | GFX9 |
GPU ID | gfx900 | gfx904 |
DCE | v12.0 | v12.0 |
Display Controllers |
6 | 6 |
UVD | v7.0 | v7.0 |
VCE | v4.0 | v4.0 |
CMOS | 14nm | 14nm |
DieSize | 509.73mm2 | 252mm2 |
そこまで謎でもなかったダイサイズ
そこで以前作った Vega10 のダイアグラムから規模を合わせた Vega12 のダイアグラムを作成してみた。4

Vega12 推測ダイアグラム
ダイサイズ: 252mm2
直感に反して、幅は Vega10 のほぼ半分とダイサイズに沿った大きさとなった。高さは合わせたため、Vega10 と同じ。
ダイショットから推測したダイアグラムを再配置した、というものであるため、当然正確性には欠けることを留意したい。
Vega12 が大きくなった理由としては、まず 4-ShaderEngineという構成であることが考えられる。
言い換えれば、Geometry /Rasterizer 、フロントエンド部が占める大きさが Vega10 と変わらない。
次に、メモリにHBM2を採用していることが考えられる。
GDDR系のPHY(物理層)であれば、縦横の比率が大きく、Polaris10 のように ShaderEngine をぐるりと囲む配置を取れる5。しかし、HBM2 PHYはGDDR系よりは縦横の比率が小さい。
それにより、コア部に対してポンとブロックを置いたような配置になりやすく、結果ダイサイズを余計に喰ってしまうのではないか思う。
余談だが、総CU数 36基、RBE 8基の Polaris10 は 243.78mm2と Vega12 より小さい。これは上述のGDDR系とHBM2の違い以外に、CUの大きさが GFX8 /Polaris10 で 推定 2.912mm2、GFX9 /Vega10 で推定 3.744mm2とだいぶ差があるからだろう。45
これらのことから言えるのは、規模から単純にダイサイズを求めるのは難しく、またダイサイズから規模を図るのも難しいということだ。