RX 5600 XTのレビューが解禁

RX 5600 XTのレビューが世界的に解禁され、同時に国内発売日と価格も判明した。

そして仕様を変更するのではないかと勘ぐったが、新たな仕様のvBIOSを許可するという形で、実装はベンダーに委ねられているようだ。
冷却デザインや電源設計の都合上、そうすべてに適用はできないのだろう。
新vBIOSだとLinuxでうまく動作しない不具合があるらしく、デフォルトの仕様とならなかったのは幸いだったと言えるかもしれない。

新たな仕様は各社の様子を見るに、Boost Clockが1750 MHz、メモリは14 Gbpsあたりと思われる。
メモリは12 Gbps品をオーバークロックするとかではなく、元々14 Gbps品を搭載していたが(多分差別化とかの理由で)12Gbpsに制限していたらしい。
Sapphire Radeon RX 5600 XT Pulse Review #CircuitBoardPCBAnalysis | TechPowerUp
MicronのGDDR6チップのラインナップには12Gbps品があるはずだが、それを採用しないのは他のカード用と一緒に14Gbps品を仕入れた方が安く付く、とかなんだろうか。
MT61K256M32JE-12 – micron.com
GTX1660Tiでは12Gbps品を採用していたことから、流通しておらず14Gbpsしかない、という訳ではないはずだ。

PowerColor は2つのvBIOSをそれぞれ切り替えられるモデルには新仕様をOC Modeとして、元の仕様をSilent Modeとし、vBIOSが1つだけのモデルは元の仕様のままとなっており、
Unleash Your RX 5600 XT Red Devil & Red Dragon with update vBIOS
SAPPHIREもそのような実装だ。
SAPPHIRE PULSE RX 5600 XT 6G GDDR6 – sapphiretech.com

しかしXFXはコアクロックは新仕様でも、メモリは12Gbpsのままになっている。
XFX AMD Radeon™ RX 5600 XT 6GB GDDR6 THICC III Pro – XFX-2019

細かい所が各社で違い、それによる性能や消費電力の差は決して小さいものではないため、RX 5600 XT購入の際は事前にスペックを確認した方がいいだろう。

性能とか消費電力

参考

まず旧vBIOSではAMD公式の発表通り GTX1660Ti を性能で上回り、電力効率でもついに凌いでいる。
新vBIOSでは急遽レビュワーに配布、適用させただけあってRTX 2060に何とか勝っているが、その分消費電力は大差ないものに。電力効率も相応に下がった。

他のAMDGPUと比較すると、旧vBIOSではVega56、新vBIOSではVega64に近い性能で約8割も高い電力効率を示す。そしてそれはRX 5500、RX 5700よりも約2割上でもあり、Navi系最強の電力効率となっている。
WGP(CU)はほとんど、ROPは全く削られていないというのはやはり素晴らしい。

懸念していたRX 5700との性能差も思っていた程深刻ではなかった。
そもそもメモリバス幅と容量で、FullHDとWQHDでターゲット解像度の棲み分けが出来ているのだし、杞憂だったということだろう。

国内発売日と価格

SAPPHIRE「PULSE RADEON RX 5600 XT」の国内発売日と価格が判明 – エルミタージュ秋葉原
ASRock、Radeon RX 5600 XT搭載「Phantom Gaming」と「Challenger」順次国内発売
PowerColor、デュアルファンクーラー搭載RX 5600 XTの詳細スペックと発売日確定

現状判明しているものでは、早くて2020-01-25、そうでないのは2020-01-29。
ASRockは旧vBIOSの仕様のままだが、PowerColorとSAPPHIREは新vBIOSなあたり、よく間に合ったな、という感想。
まだ国内発表していないベンダーは間に合わなかったのかもしれないが。


それはともかく、一番の問題は価格だ。

そして、Amazon.co.jpでRX 5700の価格を見ると、

……?????
お祝儀価格込みとはいえ下位製品が上位製品より高いってどういうことなの……
さらにはRTX 2060が安いモデルだと約¥35,000とか¥39,000で買える。
これじゃどう見たってRX 5600 XTを早速買おうとはならない。RX 5600 XTを買う予算があるならRX 5700かRTX 2060に行くに決まってる。
いくら電力効率が優れていると言っても、新しいGPUを購入する人のほとんどは絶対性能とコスパで選ぶだろう。
電力効率の優秀さで高めの価格設定が許されるのは、カード長も短めなMini-ITX向けモデルくらいだ。

米Amazon.comでは$279.99の製品がいくつかあり、RX 5700も安い製品で$328.97と価格差もそもの値段もマシだ。
買うとしても――リスクを含めても――個人輸入する人がそれなりに出てくるはずだ。

性能も消費電力も優秀なのに、最後で 価格が落ち着けばね 、と付いてしまうのは残念と言わざるをえない。
ほんと、優秀なのに……

混沌以前に、馬鹿げている

Update:
 2020/07/20 11:51 JST