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Intel Grand Ridge のマイクロアーキテクチャは Crestmont に

先日、Intel が公開する電力管理ツール Pepc (Power, Energy, and Performance Configurator) に追加されたコミットにより、Grand Ridge CPU のマイクロアーキテクチャに Crestmont が採用されていることが明らかにされた。
また、Pepc では Grand Ridge (Logansville プラットフォーム) を、Snow Ridge (Tremont)Denverton (Goldmont) のようなマイクロサーバー向けの CPU としている。

    +CRESTMONTS =    (INTEL_FAM6_GRANDRIDGE,)

Grand Ridge はまだ Intel の公式ロードマップには追加されていないが、ISA ドキュメントや OSS 内ではすでに名前が出ている。
対応する命令範囲も公開されており、Gracemont と比較すると AVX-{IFMA, VNNI-INT8, NE-CONVERT}, CMPCCXADD, RAOINT が追加されている。
Grand RidgeCrestmont だとすると、Grand RidgeSierra Forest の対応命令範囲が完全には一致しないことが少し不思議に思えてくる。
現状 RAOINT (Remote Atomic Operation) に対応する CPU は Grand Ridge のみとされ、Sierra Forest は含まれていない。
Sierra Forest が採用するマイクロアーキテクチャを Intel は正式には公開していないが、Intel 3 プロセスで製造され、ロードマップ上では 2024年に位置していることは発表されている。
Sierra Forest では Crestmont とは若干異なるマイクロアーキテクチャを採用するのか、それとも RAOINT を無効化する理由が何かあるのか。

CrestmontMeteor Lake の Atom 系コア (Small, E-Core) にも採用されていることが明らかになっているが、Meteor Lake の対応する命令範囲に AVX-{IFMA, VNNI-INT8, NE-CONVERT}, CMPCCXADD はない。
これは Core 系 (Big, P-Core) の Redwood Cove がそれら命令に対応しておらず、ハイブリッドアーキテクチャの関係上無効化されているのだと思われる。

参考リンク