様々なアーキテクチャに対応する BIOS/UEFI、ブートファームウェアを開発するオープンソースプロジェクト Coreboot で AMD Phoenix APU のサポートが進められている。
2022/10 頃から Morgana と呼ぶ APU/SoC のサポートが進められていたが、これが実は Phoenix APU に向けたものであり、先日 AMD が Phoniex APU ベースの Ryzen 7040HS Series を正式発表したことで Coreboot のコード上で名前を隠す必要性がなくなった。
名前を明かす以前のコードは他の APU/SoC のコードをコピーしたものがほとんどであり、名前だけでなくスペックに関する情報も隠されていた。
Mendocino APU (Ryzen 7020 Series) も当初は Sabrina APU の名でサポートが進められていた。
こうした動きからは正式発表のハードウェアに関する情報を守りながら、いかにオープンソースプロジェクトにサポートを追加し、企業とその開発者として貢献を続けていくかという問題を見ることができる。
soc/amd: Change Morgana codename to Phoenix Now that the next generation of APUs is officially announced, we can unmask morgana. The chip formerly known as Morgana is actually Phoenix. Surprise!
Phoenix APU の CPUID Family/Model
は Family: 0x19 (25), Model: 0x78 (120)
とされている。
AMD は Model: 0x70-0x7F
の範囲を Phoenix APU の CPUID Model
に割り当てていると考えられ、Model: 0x78 (120)
以外で範囲内の CPUID Model
を持つエンジニアサンプリング品 (Model: 0x70, 0x74
) がネット上で確認されたりもしている。1 2
AMD CPU では、エンジニアサンプリング品、Ax ステッピングと Bx ステッピングで範囲内の別の CPUID Model
が使われることがある。
/* SPDX-License-Identifier: GPL-2.0-only */ #ifndef AMD_MORGANA_CPU_H #define AMD_MORGANA_CPU_H #define MORGANA_A0_CPUID 0x00a70f80 #endif /* AMD_MORGANA_CPU_H */
Coreboot では Morgana/Phoenix に近い APU/SoC として、Glinda の名でサポートが進められているものもあるが、こちらは AMD より正式発表がされていないことからまだ実際のコードネームや CPUID Family/Model
は明かされていない。