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Intel GFX ドライバーに Meteor Lake をサポートする最初のパッチが投稿される ―― Gen12.7, Xe_LPD+, Xe_LPM+

Intel の Radhakrishna Sripada 氏より、Linux Kernel における Intel GPU/GFX ドライバー i915Meteor Lake-M/P のサポートを追加する最初のパッチが投稿されている。

Meteor Lake-M/P の各 IP バージョンは、GraphicsIP は ver12.70、DisplayIP は ver14 (Xe_LPD+)、MediaIP は ver13 (Xe_LPM+) とされている。
ただ GraphicsIP については、あくまでもドライバー内で区別するためのバージョンであり、実際のバージョンはハードウェアの GMD_ID レジスタから読み取れる。
また、intel/gmmlib などでは、PRODUCT_FAMILYGFXCORE_FAMILY としては IGFX_DG2 = 1270 (ver12.7) を割り当てているが、Intel GFX ドライバーでは DG2/Alchemist の GraphicsIP は ver12.55 とされており、それぞれバージョン番号は近いが意味する所は異なっている。1

Xe_LPD+ の新機能に関するパッチはまだ投稿されていない。Xe_LPD+ では Xe_LPD (ver13) でサポートする機能に加えて has_cdclk_crawl のフラグが有効化されているが、これは Alder Lake-P でもサポートされている。
同様に Xe_LPD (ver13) IP を採用する DG2/Alchemist では has_cdclk_crawl が有効化されておらず、Xe_LPD (ver13) においては分離していた部分だった。2

platform_engine_maskCCS0 のビットがセットされていることから、Meteor Lake-M/P では Compute Engine (Compute Command Streamer) を 1基搭載、有効化される。
Xe_HP SDV, DG2/Alchemist, Ponte Vecchio では 4基搭載されているため、それよりも小さい規模となる。
公開されているドキュメントでは Tiger Lake でも CCS 1基を搭載しているとされているが、i915 ドライバーでは何らかの理由で有効化されていないものと思われる。
Rocket Lake, Alder Lake-N/M/P/S でも同様のため、iGPU では Meteor Lake-M/P で CCS がようやく有効化されることとなる。
Intel OSS OpenGL/Vulkan ドライバーが “Compute Engine” に対応 | Coelacanth’s Dream

 +#define XE_LPDP_FEATURES	\
 +	XE_LPD_FEATURES,	\
 +	.display.ver = 14,	\
 +	.display.has_cdclk_crawl = 1
 +
 +__maybe_unused
 +static const struct intel_device_info mtl_info = {
 +	XE_HP_FEATURES,
 +	XE_LPDP_FEATURES,
 +	/*
 +	 * Real graphics IP version will be obtained from hardware GMD_ID
 +	 * register.  Value provided here is just for sanity checking.
 +	 */
 +	.graphics.ver = 12,
 +	.graphics.rel = 70,
 +	.media.ver = 13,
 +	.memory_regions = REGION_SMEM | REGION_STOLEN_LMEM,
 +	PLATFORM(INTEL_METEORLAKE),
 +	.platform_engine_mask = BIT(RCS0) | BIT(BCS0) | BIT(CCS0),
 +	.require_force_probe = 1,
 +	.has_flat_ccs = 0,
 +	.has_snoop = 1,
 +	.display.has_modular_fia = 1,
 +};
 +

Alder Lake-M/P では GPU部は IPバージョン、規模ともに同じであったため、ドライバーではまとめて管理していたが、Meteor Lake-M/P では DeviceID、SUBPLATFORM で分けて管理されるようになる。
SUBPLATFORM はプラットフォームの判定やハードウェア側のバグに対する回避策 (ワークアラウンド) の設定の際にも使われている。
Meteor Lake ではタイルアーキテクチャを採用すると発表されているが、-M-P でアーキテクチャは同じだが、パッケージの違いから規模が異なる GPUタイルを採用することが考えられる。

 +/* MTL */
 +#define INTEL_MTL_M_IDS(info) \
 +	INTEL_VGA_DEVICE(0x7D40, info), \
 +	INTEL_VGA_DEVICE(0x7D43, info), \
 +	INTEL_VGA_DEVICE(0x7DC0, info)
 +
 +#define INTEL_MTL_P_IDS(info) \
 +	INTEL_VGA_DEVICE(0x7D45, info), \
 +	INTEL_VGA_DEVICE(0x7D47, info), \
 +	INTEL_VGA_DEVICE(0x7D55, info), \
 +	INTEL_VGA_DEVICE(0x7D60, info), \
 +	INTEL_VGA_DEVICE(0x7DC5, info), \
 +	INTEL_VGA_DEVICE(0x7DD5, info), \
 +	INTEL_VGA_DEVICE(0x7DE0, info)
 +
 +#define INTEL_MTL_IDS(info) \
 +	INTEL_MTL_M_IDS(info), \
 +	INTEL_MTL_P_IDS(info)
 +
Intel GPU ({ver}.{release_ver}) Graphics IP ver Display IP ver Media IP ver
Tiger Lake, Rocket Lake? 12 12 12
DG1 12.1 12 12
Alder Lake-S 12 12 12.2
Alder Lake-P 12 13 (XE_LPD) 12.2
Xe-HP 12.5 - 12.5
Xe-HPG 12.55 13 (XE_LPD) 12.55
Xe-HPC 12.6 - 12.6
Meteor Lake 12.7 14 (XE_LPD+) 13 (XE_LPM+)