AMD の新たな APU/SoC 「Mendocino」

プロプライエタリな BIOS (ファームウェア) の代替を目的としたフリーソフトプロジェクト Coreboot における amdfwtool に向けて、新たな AMD APU/SoC Mendocino (メンドシノ、メンダシーノ) をサポートする最初のパッチが投稿された。
amdfwtool は AMD APU/SoC に必要な複数のファームウェアを単一のモジュールにまとめるツール。
パッチは Zheng Bao 氏より投稿されている。

• amdfwtool: Add new SOC mendocino (I54492600) · Gerrit Code Review

 enum platform {
 	PLATFORM_UNKNOWN,
 	PLATFORM_STONEYRIDGE,
 	PLATFORM_RAVEN,
 	PLATFORM_PICASSO,
 	PLATFORM_RENOIR,
 	PLATFORM_CEZANNE,
 	PLATFORM_MENDOCINO,
 	PLATFORM_LUCIENNE,
 };

引用元:https://review.coreboot.org/c/coreboot/+/56936/2/util/amdfwtool/amdfwtool.c#b1152

とは言え、最初のパッチということもあり、パッチの内容は Mendocino の名前と分岐先を追加するのが主なものであり、Mendocino の素性 CPUアーキテクチャ、世代 については触れられていない。
new SOC とあることから Mendocino は APU だと考えられるが、それくらい。

最近では Barcelo APU をサポートするパッチも Coreboot に投稿、公開されていたが、そちらは Cezanne APU のコードを一部共有していること、GPU部の DeviceID が同時期に AMDGPUドライバーに投稿されていたことから、Cezanne 同様に Zen 3 CPU + Vega GPU という構成を採る APU と考えられる。
新たな Zen 3 + Vega APU 「Barcelo」 | Coelacanth’s Dream

オープンソース・プロジェクト、オープンソース・ドライバーに名前が登場し、サポート作業が進められているが、モデルがまだ正式発表されていないものには、Yellow Carp (Rembrandt)、Barcelo 、そして今回追加された Mendocino 、
既にカスタム APU/SoC として製品に搭載されている可能性があるが、まだはっきりと確認されてはいないものに VanGogh、Cyan Skilfish がいる。
謎を持つ AMD APU/SoC は現状でこれだけ存在するため、下手に推測するよりも、まずはゆっくりと新たなパッチで投稿されるのを待ち、読み解いていくことを楽しんでいきたいと思っている。