めでたくデスクトップ向け Renoir が発表され、同時に Athlon の名を冠した Picasso が増えた。
AMD Ryzen 4000 Series Desktop Processors with AMD Radeon Graphics Set to Deliver Breakthrough Performance for Commercial and Consumer Desktop PCs | Advanced Micro Devices
話題としてはデスクトップ向け Renoir の方が大きいけれど、今回自分が語りたいのは Picasso の方だ。
例の Picassoシリコンベースな Dali?
まず、今回のプレスリリースで追加された 12nm Picassoシリコン ベースの SKU が以下。
- Athlon Gold 3150G
- Athlon Gold 3150GE
- Athlon Gold PRO 3150G
- Athlon Gold PRO 3150GE
- Athlon Silver PRO 3125GE
そしてこっそり追加されていたのが以下の 2-SKU。
Athlon Silver 3050GE が省かれているが、それだけはプロセスが 14nm となっており、Raven2シリコン ベースであると思われる。
Athlon Silver PRO 3125GE は、クロック等のスペックは 3050GE とほとんど同じであり、クロックが変更可能(アンロック)かどうか、PRO向けの機能が有効かどうかの違いしかないが、PRO 3125GE には Picassoシリコン が使われているようだ。
自分が思うに、Picassoシリコン をベースとし、 Athlon の名を冠したそれらは、以前記事にした、外部 I/O を Raven2シリコン 同等までに抑えた Dali APU ではないだろうか。
AMD Picassoベースの Dali APU が存在するらしい? | Coelacanth’s Dream
その時に取り上げた Coreboot へのコミットでは FP5 パッケージ のみに触れていたが、また別のコミットでは AM4 パッケージ でもそういった SKU の可能性があるとしている。1
そして、FP5 パッケージ における Picasso と Dali の違いが一部明かされていた。
Picasso は XHCI(eXtensible Host Controller Interface) を XHCI0
と XHCI1
の 2基持ち、XHCI0
は 4 USB2 + 4 USB3 ポートを、XHCI1
は 2 USB2 + 1 USB3 ポートを担当する。
Dali は XHCI0
のみを持ち、それが 6 USB2 + 4 USB3 ポートを担当する。
Dali の仕様は Raven2シリコン をそのまま反映しているのではないかと思う。
また、外部 I/O の規模を抑え、Raven2シリコン に合わせるというのは USB だけでなく、PCIe、ディスプレイ出力にも適応される。
まだ今回追加された 3050GE を除く Athlon 3000シリーズ が Picassoシリコン ベースの Dali APU と確定した訳ではないが、そうであったらわかりやすいな、というのが本音。
というより、中身としては Picasso であるから CPU/GPU の情報から Dali と知ることはできず、何かしら外部 I/O を制限されていることが通知されるのを待つしかなかったりする。
AMD から今回追加されたデスクトップ/プロ向け Athlon 3000Gシリーズ の PCIeレーンについて通知されたらしいのだが、Gold と Silver でレーンの設定が異なるため、
Gold は普通の、有効PCIeレーンが少し減らされた Picasso であり、ただ Athlon Silver Pro 3125GE のみが Picassoシリコン ベースで、Raven2シリコン 同等まで減らした Dali であるかもしれない。
https://twitter.com/IanCutress/status/1286577147063275520
AMD Launches 12 Desktop Renoir Ryzen 4000G Series APUs: But You Can’t Buy Them