Intel は 2020/06/10付で、3Dパッケージング技術 Foveros を用いたハイブリッドプロセッサ、Lakefield を正式発表した。
Intel Hybrid Processors: Uncompromised PC Experiences for Innovative Form Factors Like Foldables, Dual Screens | Intel Newsroom
Intel® Core™ Processors with Intel® Hybrid Technology Brief
Intelプロセッサでは初のネイティブで 2つのディスプレイパイプを持つとのことだが、これはざっくりと、eDP出力が 2つあるという認識で合っているのだろうか。
また、メディア機能では EU/シェーダーによる動画エンコード、HDRトーンマッピングのようなポストプロセッシングにも対応しており、
同じ Gen11GPU でもそれらが削られていた Elkhart /Jasper Lake とは違い、Ice Lake 同等の機能を備えているようだ。
SKUは i5-L16G7 、i3-L13G4 の 2種類となる。
Lakefield | i5-L16G7 | i3-L13G4 |
---|---|---|
Core/Thread | 5/5 | 5/5 |
Base Clock | 1.4 GHz | 0.8 GHz |
Max Single Core Clock | 3.0 GHz | 2.8 GHz |
Max All Core Clock | 1.8 GHz | 1.3 GHz |
GPU EU | 64 | 48 |
Base GPU Clock | 0.2 GHz | 0.2 GHz |
Max GPU Clock | 0.5 GHz | 0.5 GHz |
TDP | 7 W | 7 W |
AVX命令には非対応か
Lakefield で一番気になるのがここで、
まず Lakefield が 1-Core 持つ高性能な Sunny Cove コアは、Ice Lake のコアと同じだ。
だが、i5-L16G7 の製品ページを見ると、Instruction Set Extensions
に AVX という文字列は無い。1
AVX512-VNNI
命令による高速な推論、Intel DL Boost が Ice Lake の特徴の1つだったが、やはりそれも製品ページには記載が無く、
代わりか、GPU を用いた推論において i5-L16G7 は i7-8500Y と比べて 2倍のスループットで実行できることがリリースではアピールされている。
もしも、AVX命令の対応を潰しているのだとしたら、Lakefield は命令別のスケジューリングには対応していないということになる。
そうなると、AVX命令以外にも、Sunny Cove コア、Tremont コアの両方が対応していない命令は、Lakefield では外されている可能性が高い。
つまり、CPUコアは非対称であっても、命令レベルでは対象、となる感じか。
まだコンパイラ側が対応していないが、Tremont は Ice Lake /Sunny Cove が対応していない CLDEMOTE
、MOVDIRI
、MOVDIR64B
、WAITPKG
といった命令に対応しているはずである。2
Lakefield のスケジューリングはあくまで負荷とシングルスレッド、マルチスレッドに応じたものなのだろうか。
その点、ハイブリッドプロセッサとして惜しい気がするが、Lakefield は第1世代であり、
次世代のハイブリッドプロセッサではより高度なスケジューリングが実装されていることを期待したい。