Intel Comet Lake PCHを整理する ――LPDDR4とか22nmとか

先日、Intelがデスクトップ向けに第10世代Core Comet Lake-S 、それをサポートする 400シリーズチップセット の情報を公開した。
Intel Delivers World’s Fastest Gaming Processor | Intel Newsroom
Intel® 400 Series Chipsets Product Specifications

そしてその 400シリーズチップセット だが、ベースとなるPCHが複数存在し、またそれぞれ微妙に違いが存在するため、自分の頭の中を整理するためにも今回記事としてまとめることとした。

主な参考資料:

インデックス

CometLake1

Comet Lake U-Series /H-Series に用いられるPCH。
サポートするメモリタイプは LPDDR3 と DDR4だが、ここが面白い点であり、Intelは Comet Lake U-Series 発表時、LPDDR4/xメモリをサポートするとしていた。1
AnandTechによれば、最初のB0ステッピングではサポートされず、K1ステッピングでサポートされることになっている。また、そうなった理由として、LPDDR3 と DDR4 はメモリコントローラーのデザインが似通っており、IPをほぼ再利用できるが、LPDDR4はそうではなく、デザインの変更を必要とするため検証に時間が掛かったのではないかと推測している。2

CometLake2

そしてその LPDDR4メモリをサポートするPCHが CometLake2 となっている。代わりに CometLake1 でサポートされていた LPDDR3メモリが、サポートから外れている。

違いとしてはそれだけだが、Intelは Comet Lake U-Series のB0ステッピングとK1ステッピングでSKU名を変えていないため、それだけでは判別が不可能となっている。
具体的な名前を出すと、Core i7-10710UCometLake1CometLake2 が混在している。
搭載されているシステムのメモリが LPDDR3、または LPDDR4であれば判別は可能だが、この方法だと DDR4を採用している場合破綻する。
そこで Intel は CPUIDのEAXレジスタの値で判別することを推奨しており、CometLake1 /B0ステッピング は値が 0x000A0660 または 0x000806ECCometLake2 /K1ステッピング は値が 0x000A0661 となる。
しかしこの方法にも問題があるはずだ。消費者からすれば、自分が買おうとしているPCに搭載されたCPUの CPUID を知ることなんてできない。DDR4メモリを採用している場合は完全に不明となる。
メモリ以外で性能に関わる変更が為されていないことを願うのみだ。

CometLakeS / CometLakeV

デスクトップ向けのPCHには CometLakeSCometLakeV の2種類が存在し、
CometLakeS14nmプロセスCometLakeV22nmプロセス で製造される。これが CometLakeS とのわかりやすい違いとなるだろう。

前世代から CometLakeS に追加された新機能には 2.5G Ethernetコントローラー I225、Wi-Fi 6モジュール AX200/201 のサポートがあげられる。

CometLakeS の具体的な製品名は、Z490 /H470 、まだ Intel のサイトには掲載されていないが Q470 /W480 、そして意外なことに B460 となっている。

For all other Intel® 400 Series Chipsets, use CometLakeS. For the Intel® B460 Chipset use CometLakeS.

引用元:FSP/README.md at 8af76d732b006acceaaee184b597a46f39ec15e3 · IntelFsp/FSP

意外だと感じたのは、CorebootのPCI IDリストに Comet Lake PCH の中で H410B460 が無く、
CometLakeV だと思っていたからだ。H410 と、これも未発表だが B460CCometLakeV と記述されている。3
パターンとして、リネームされたチップセットは記載されていない(例: Z370)。
H470B460 で PCI ID を共有している可能性が?

ただ Intel のサイトを確認すると、確かに B460 のブロックダイアグラムには 2.5G Ethernet とWi-Fi 6 AX200 が描かれているのに対し、H420E /H410 にはそれらがないため、B460CometLakeS というのはもっともらしい。 45
Coreboot は単なる記載漏れなのだろうか?

言えるのは、少なくとも B460CometLakeS ということだ。
逆にそうわざわざ書いてあることが引っかかりもするが。

CometLake1CometLake2CometLakeS は、Linux Kernelからは Comet Lake PCH と、
CometLakeVComet Lake V PCH と判定される。67

Process Product
CometLakeS 14nm Z490 /H470 /B460
/W480 /Q470
CometLakeV 22nm B460C /H420E? /H410

Update:
 2020/07/20 11:51 JST